防寒パンツの必要性
防寒ズボンを履く温度帯

個人差がありますので一般的なお話しです。防寒着を着用する目安は10℃を下回ったくらいから。しかし防寒ズボンを履く目安は5℃を下回ったくらいから。正直、私、寺田は5℃でもまだ防寒ズボンを履いていません。何をするかにもよりますが5℃は我慢しちゃいます。でもそれは本当に個人差です。
足元や腰など冷えない部分を守る防寒パンツですが、なぜ防寒上着よりも防寒パンツを履くのを我慢してしまうのか。それは、脱ぎ履きのわずらわしさと、動きにくさです。中綿入り防寒ズボンを履くと動きを妨げますので、作業効率が落ちます。しかし寒くて凍えたりすると、作業効率が落ちるどころか体調を悪くしますので、それはいけません。
「動きにくくて作業効率が落ちる」と「寒さで作業効率が落ちる」この境界線が一般的には5℃が目安であなたにとって何℃か。それに合わせて防寒パンツを脱ぎ履きします。
今さら聞けない防寒パンツ基本のキ

防寒ズボンはズボンの上に履きます。理由は、暑くなったら脱ぐためです。汗をかいてしまわないように調整がとても重要です。朝と夜は寒くても日中お日様が出ている間は必要ないシーンもありますので、暑ければ脱ぐ寒ければ履くというのが防寒パンツです。
一日中防寒ズボンを脱がないから防寒ズボンだけ履くんだ!という人はそれはそれでダメではありませんが、基本的には防寒ズボンはズボンの上から履きます。そのように設計されています。というのもハイクラスの防寒パンツは通気性をよくするため内側がメッシュになっていたりしますので、どうしてもズボンを履かずに防寒パンツを履く場合はタイツの上から履くようにしてください。
誰もが経験ある失敗
鍵を出したいと防寒ズボンのポケットに手を突っ込んだら・・ない。あれ?なんで??「あ!防寒ズボンの下に履いてるズボンのポケットの中や・・ダルっ」笑
防寒パンツあるあるです。ポケットが付いたズボンを2枚履きますから、高確率でこうなるんですよね。このあるあるを改善するために存在するのが「スルーポケット」です。防寒ズボンのファスナーを開けて手を突っ込むと、なんと下に履いているズボンのポケットにアクセスできるという優れもの。発明した人すごい。

防寒パンツの選び方 | 4つのポイント

防寒パンツの目的は1つ。下半身を寒さから守ること。しかし守る方法、守るためのハードルは複数あります。例えば、暖かい防寒ズボンを履いていても、火を扱う現場でポリエステルの素材を着用していたら、寒さからは守れているけど火から守れていなかったり、夜間の道路工事に着る防寒着に反射材が付いていなければ寒さから守れていても安全ではない。この問題を1から順に解決していきます。
保温性(中綿をこだわる)

まず土台となるのは保温性です。防寒で重要なのは、中綿の中にどれだけ「動かない空気=デッドエア」を保持できるかです。暖かい空気の層を身体の周りに作り、それを逃がさない。これが防寒の基本です。中綿が厚ければ保温力は高くなりやすい反面、モコモコして動きにくくなることがあります。高機能中綿を使用した防寒パンツなら、中綿量を抑えながら高い断熱性を確保できます。寒冷地で履く防寒ズボンはシンサレートなど機能綿入りのものをおすすめします。
防風性(風速と体感温度の関係)

同じ気温でも、無風の日と強い風が吹いている日では身体から奪われる熱がまったく違います。風が強くなるほど身体の周囲にある暖かい空気の層が奪われ、寒さを強く感じます。海外の気象機関でも、気温と風速を組み合わせてWind Chill(ウィンドチル)「風による寒さ」を算出しています。屋外作業用の防寒パンツは、保温性プラスして風を通しにくい表地であることも非常に重要です。
防水性・耐水圧を正しく読む

雨や雪の中で使用する場合は防水性が重要になります。ここで確認していただきたい数字が耐水圧です。耐水圧とは、生地がどれだけ水圧に耐えられるかを数値で示したものです。数字が大きいほど高い水圧に耐えることができます。耐水圧10,000mmで大雨に耐えると覚えておくと便利です。防寒服プロで取り扱っているGORE-TEX防寒パンツには、雨の中で膝をついても浸み込みを防止する耐水度35,000mm以上のモデルもあります。
難燃性・帯電防止などの安全規格
防寒パンツは寒さを防ぐだけではありません。働く場所によっては安全性能が暖かさ以上に重要になることがあります。
難燃性 LOI値26以上
溶接、鉄工、造船、炉前作業など、火花や熱を扱う現場では一般的なポリエステル主体の防寒パンツが適さない場合があります。こうした現場では難燃・防炎性能を持った防寒着を選ぶ必要があります。ここで注意しなくちゃいけないのが、綿100%=防炎ではないということです。綿はポリエステルのように熱で溶融しにくいという特性がありますが、綿そのものは燃えます。防炎加工された綿100%でLOI値26(限界酸素指数 Limiting Oxygen Index)以上の防炎防寒着を選びましょう。

防寒服プロで販売しているHONO防炎防寒パンツはLOI値29.8
帯電防止 JIS T8118適合
冬は空気が乾燥するため静電気が発生しやすくなります。通常の生活なら「パチッ」としてイラってくるくらいですが可燃性の物質などを扱う職場では静電気による火花が危険につながる可能性があります。そのため、こうした現場では帯電防止と書かれているだけではなく、必要に応じてJIS T 8118適合の静電気帯電防止作業服を選んでください。JIS T 8118は、作業服の静電気帯電によって発生する災害や障害を防ぐことを目的とした規格で、防寒服も対象に含まれています。会社や現場から安全基準を指定されている場合は、デザインや暖かさより先に規格を確認してください。
【現場・業種別】あなたの職場に合う防寒パンツの選び方
ここまで性能について説明してきましたが、結局一番わかりやすい選び方は、どこで、何をして働くのかです。
極寒地・寒冷地の現場(極寒地防水防寒)

北海道、東北、山間部などの寒冷地や、長時間屋外にいる現場では保温性だけではなく、防風・防水性能まで含めて選ぶことが重要です。常に氷点下になる現場ではデッドエアを大量に保有する防水極寒防寒着のカテゴリーから防寒パンツをお選びください。
冷凍倉庫防寒(-30℃/-40℃/-60℃)

冷凍倉庫は一般的な冬の屋外作業とは少し考え方が違います。屋外なら太陽が出たり、気温が上がったりしますが、冷凍庫内は一定の低温環境が続きます。足元から冷気を感じやすいため、上着だけを強化しても十分ではありません。逆に気温が一定の為、温度帯によって必要なデッドエアの保有量がわかりやすいので-30℃、-40℃、-60℃でクラス分けをしています。長年の実績で自信を持っておすすめしています。冷凍庫の温度帯に合わせてお選びください。
屋外の建設(防水防寒パンツ)

建設現場では暖かいだけの防寒パンツではなく、雨や雪が降るのを想定して防風性と防水性、そして動きやすさも重視します。裾ファスナー付きなら安全靴を履いたまま脱ぎ履きしやすく、スルーポケット付きなら中に履いているズボンのポケットにもアクセスできます。「鍵、下のズボンの中やった」も防いでくれます。
警備現場(高視認防寒パンツ)

道路工事、交通誘導、鉄道、空港、港湾など、車両や重機が近くを通る場所では「見えること」も安全性能のひとつです。蛍光色の生地や再帰性反射材を使用した高視認性防寒パンツなら、昼夜を問わずの視認性を高めることができます。高視認性安全服についてはJIS T 8127という規格があり、着用者の存在を視覚的に認知しやすくするための性能が規定されています。私が撮影でヨーロッパに行った時、駅や空港や屋外作業している人たちはみんな高視認性のユニフォームを着ていました。視認性を保てるのはもちろん、私たちから見てもこの場所で作業されている係の人なんだという認識がすぐにできて良いなっと思いました。
食品工場・水産加工

食品工場では、防寒性能とは別に異物混入対策が必要。そこで便利なのがポケットレス防寒パンツです。ポケットそのものをなくすことで、物を落とさない。物を持ち込まない。物を持ち出さない。という管理がしやすくなります。防寒服プロでも食品工場などで使用しやすいポケットレス防寒パンツを取り扱っており、-30℃の冷凍倉庫に対応したタイプもあります。
防水と撥水の違い、メンテナンスの注意点
防水と撥水の違い
防水と撥水。似ていますが、同じ意味ではありません。撥水とは、生地の表面で水をはじき、水滴を転がり落ちやすくする性能です。一方、防水とは生地の内部まで水を通しにくくする性能です。
撥水=水をはじく
防水=水を通さない
と覚えていただくとわかりやすいと思います。小雨や短時間の雪なら撥水加工でも十分な場合があります。しかし長時間雨に当たる仕事や、濡れた地面に膝をついたり座ったりする仕事では、防水生地やシームテープ処理された商品など、しっかりした防水性能を持つ防寒パンツをおすすめします。
メンテナンス撥水の復活
長く使っていると、表面の撥水性能は少しずつ低下します。撥水性能が落ちてきたなと感じたら洗濯表示を見て洗った後に、ドライヤーで熱を加えて、寝た撥水基を起こしてあげてください。撥水基が起きれば撥水性は復活します。
防寒服プロがおすすめする防寒パンツ
おすすめ防寒パンツ
おすすめ防寒パンツ
防寒パンツのお手入れ・長く使うためのポイント
洗濯機で洗える防寒パンツと、クリーニングが必要なタイプの見分け方
防寒パンツが汚れたら服の内側についている洗濯表示に従って洗濯しましょう。

まとめ|現場に合った防寒パンツで冬の生産性を落とさない
防寒パンツは、ただ暖かいズボンを選べばいいわけではありません。保温性、防風性、防水性、透湿性、安全性そして動きやすさ。自分の仕事環境に合わせて選ぶことが大切です。冒頭でもお話ししましたが、防寒パンツを履くか履かないかの境界線は人によって違います。寒さで身体がこわばり、動きが悪くなり、仕事の効率が落ちてしまったら意味がありません。逆に暖かすぎて汗をかき、その汗が冷えて寒くなってもいけません。
暑ければ脱ぐ。寒ければ履く。非常に単純ですが、防寒ではこの温度調整がとても重要です。
防寒服プロでは、一般的な屋外作業用防寒パンツから、GORE-TEX、防炎、高視認、冷凍倉庫、ポケットレス、女性用、BIGサイズまで、さまざまな現場に合わせた防寒パンツを取り揃えています。
あなたの現場に一番合った防寒パンツを選んで、冬でも仕事の生産性を落とさず、快適に働いてください。
ありがとうございました。






